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2018年1月26日(金)
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快適な小型軽量Xシリーズ機で “味わいの冬景色” を堪能『富士フイルム X-E3』

FUJIFILM X-E3(撮影:吉森信哉)
コンパクトな単焦点標準レンズ「XF35mmF2 R WR」を装着した『富士フイルム X-E3』。

≪ 冬の帰省にこのカメラを選んだ理由は… ≫

 昨年末、冬の帰省を前に「新しめのカメラを何か借りて帰りたいな」と思い、いくつかの機種をピックアップした。でも、どんなに優秀で魅力的でも、大きくて重い機種はイヤだなぁ…。

 ということで、小型軽量なミラーレス一眼『富士フイルム X-E3』を、3本の交換レンズと一緒にお借りすることにした。小型軽量なミラーレス一眼は他社にもいくつかあるが、色再現の鮮やかさに定評のあるXシリーズのボディと交換レンズを使いたいと思った。そう、風景に色味が乏しくなる時季だけにね。

≪ X-E3の製品概要 ≫

 独自の色再現技術や写真画質を誇る「Xシリーズ」。その最新モデルとなるX-E3は、シリーズ最小最軽量(幅121.3mm×高さ73.9mm×奥行き42.7mm・337g*)を実現。従来モデルX-E2よりも横幅を抑えた(8mm弱)縦横バランスの良いボディには、手に馴染む形状のグリップが採用されている。そして、背面に「フォーカスレバー」を搭載したことで、カメラをホールドしたまま素早いフォーカスポイント選択が可能になる。ボディ上面には、従来モデルと同様に、アルミ削り出しのシャッタースピードと露出補正の2つのダイヤルを装備。クラシカルで上質な外観と、心地よい露出操作が楽しめるモデルに仕上がっている。

* バッテリー、メモリーカードを含めた重さ。本体のみは約287g。

FUJIFILM X-E3(撮影:吉森信哉)

FUJIFILM X-E3(撮影:吉森信哉)
こうやって正面や背面から見ると、横幅が抑えられてコンパクトになったことが実感できる(X-E1やX-E2を知っていれば)。また、背面から縦一列のボタンやファンクションボタン(十字キー)がなくなったことで、ずいぶんスッキリした印象になった。ただし、横幅を抑えた関係で、内蔵フラッシュは非搭載となった(外付けフラッシュを同梱)。

◆ ◆ ◆

≪ 機能と仕様をチェック ≫

 撮像センサーは、APS-Cサイズの2430万画素「X-Trans CMOS III」で、画像処理エンジンは「X-Processor Pro」。この組み合わせにより、卓越した高画質が生み出される。また、AF性能に関しても、像面位相差AFエリアの拡大とAFアルゴリズムの見直しで、最速0.06秒の高速AF、ライブビュー撮影5.0コマ/秒の高速連写、起動時間0.4秒、シャッタータイムラグ0.050秒、撮影間隔0.25秒、などを実現。さらに、画像認識アルゴリズムの改善で、同じセンサーと画像処理エンジンを搭載する従来モデルよりも、被写体への追従性が向上。被写体の速度が2倍、サイズが1/2でもAFで捕捉する、とのこと。

 液晶モニターには、高精細な104万ドット・3.0型の静電式タッチパネルディスプレイを採用。従来の「タッチAF」や「タッチショット」機能に加えて、上下左右のフリック操作により、事前に割当てた機能を呼び出す「タッチファンクション」機能も搭載された。

 動画機能では「4K動画撮影」が可能になり、Xシリーズの特長である「フィルムシミュレーション」を活かした多彩な色調の4K動画撮影が楽しめる。

 また、Xシリーズで初めて「Bluetooth」機能を搭載。事前にペアリング登録したスマホやタブレット端末(アプリケーションのFUJIFILM Camera Remoteを介して)、簡単かつ迅速に撮影画像を転送できる。

FUJIFILM X-E3(撮影:吉森信哉)
上下左右のフリック操作で、4種類の機能が呼び出せ設定できる「タッチファンクション」。ただし、曖昧なフリック操作だと、タッチAFやタッチショットが機能する場合もある。

FUJIFILM X-E3(撮影:吉森信哉)
AF測距点は最大325点(初期設定では91点)。325点もあれば、広い範囲をきめ細かくカバーできる。シングルやゾーンのAFエリアの大きさ(範囲)が、きめ細かく変更できるのも便利!

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≪ まずは広島市街でスナップ的に撮影 ≫

 ここ数年、お盆や年末年始の帰省の際には、新幹線と現地の宿ががセットになった、旅行会社のパッケージツアーを利用している。その関係で、帰省中に最低1泊はホテルに宿泊することになる。今回は(今回も)、出発当日に広島市街のホテルに1泊した。

 そして、翌日は市街でスナップ的な撮影を楽しんだ。メインの被写体は、広島の見所のひとつである路面電車(通称、市電)。主に使用するレンズは、望遠ズームの「XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS」になる。なお、このX-E3のメカシャッター時の連写速度(高速連写)は約8.0コマ/秒(X-E2は約7.0コマ/秒だった)。このくらいの速さがあれば、行き交う路面電車の動きもきめ細かく補足することができる。また、新設された「フォーカスレバー」によって、AFエリアの移動も快適だった。

※「実写データ」ボタンをクリックすると、オリジナルデータが別ウィンドウで表示されます。

FUJIFILM X-E3 作例(撮影:吉森信哉)
実写データ

向かってくる電車と、すれ違う電車。わずかなタイミング差によって、すれ違う電車の窓や広告の見え方が変わる。約8.0コマ/秒で連写したカットの中から、その見え具合の良いカットを選択した。富士フイルム X-E3 XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS(156.1mmで撮影) シャッター優先オート F4.5 1/1000秒 WB:オート ISO1600 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

FUJIFILM X-E3 作例(撮影:吉森信哉)
実写データ

原爆ドームの近くに咲いていたサザンカ。これはタッチAFでピントを合わせて撮影した。富士フイルム X-E3 XF35mmF2 R WR 絞り優先オート F2 1/640秒 −0.3補正 WB:オート ISO200 4000×6000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

FUJIFILM X-E3 作例(撮影:吉森信哉)
実写データ

今回の広島市街撮影では、スクラッチタイプの「電車一日乗車券」を利用して移動した。富士フイルム X-E3 XF10-24mmF4 R OIS(24mmで撮影) 絞り優先オート F5.6 1/60秒 WB:オート ISO320 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

◆ ◆ ◆

≪ 自宅周辺、冬の色と光を求めて… ≫

FUJIFILM X-E3(撮影:吉森信哉)
今回の帰省の持参機材一式(冬枯れの自宅玄関前で)。富士フイルム X-E3+XF10-24mmF4 R OIS、XF35mmF2 R WR、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS。

 自分の実家は、広島県の北東に位置する「庄原市」という山間部にある。で、年末年始のこの時季だと、寂しい “冬枯れ風景” が広がっている。まあ、雪景色になれば少しは写欲もそそられるが、曇天や雨天だとテンション下がりまくり。

 だけど、よく晴れた日には、鮮やかな青空(冬の青空はキレイだからね)が広がって、それだけでも写欲は高まる。また、時間帯による光線の変化とかも味わい深い。そんな “冬枯れだけどイイ感じの自宅周辺風景” を、「XF35mmF2 R WR」の自然な画角やボケ描写を生かしながら撮影した。

FUJIFILM X-E3 作例(撮影:吉森信哉)
実写データ

庭の端にある低い壁。そこの瓦の上の鳩像を撮影。冬枯れの田んぼや道路も、大きくぼかしたら何となく味わいが出てきた。富士フイルム X-E3 XF35mmF2 R WR 絞り優先オート F2.8 1/1500秒 +0.3補正 WB:オート ISO200 4000×6000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

FUJIFILM X-E3 作例(撮影:吉森信哉)
実写データ

冬の青空にナンテンの赤い実が映える。最初、狙った所にピントが合わなかったが、シングルのAFエリア(枠)を最小に調節することで、狙った実にピントを合わせることができた。富士フイルム X-E3 XF35mmF2 R WR 絞り優先オート F2.8 1/2900秒 −0.3補正 WB:オート ISO200 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

FUJIFILM X-E3 作例(撮影:吉森信哉)
実写データ

これは広角ズームで撮影した、自宅(建物)の角にあるヤツデ。そういえば、この被写体よく撮るなぁ…。富士フイルム X-E3 XF10-24mmF4 R OIS(12mmで撮影) 絞り優先オート F11 1/240秒 −0.3補正 WB:オート ISO400 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

≪ 年明け、再び “坂の町” 尾道を散策 ≫

FUJIFILM X-E3(撮影:吉森信哉)
年明けの尾道散策も含め、今回の帰省では、広角ズーム「XF10-24mmF4 R OIS」をメインレンズとして使用した。小型なX-E3とのバランスは微妙だが、ワイド感を生かした撮影が堪能できるのは、何ものにも代えがたい魅力的なポイント。

 年明け。昨年に続いて、地元の写真仲間(長年お世話になってる先輩)と、寺や坂や文学や映画の街として知られる「尾道」に出かけてみた。前回は滞在時間が短くて「千光寺公園」しか撮影できなったので、今回は “のんびりと坂道を散策する” スタイルで、撮影を楽しみたいね。あ〜、昨年よりも天気が良いし冷え込みもないから快適だなぁ。

 まず、真言宗醍醐派大本山「西國寺」に行き、愛宕山の山腹に広がる寺のいろんな建物(三重塔、不動堂、金堂、仁王門など)を撮影する。ちなみに、今日の尾道散策のメインレンズは、広角ズーム「XF10-24mmF4 R OIS」になるだろう(被写体や撮影状況によって、35mmや55-200mmも使用するけどね)。

 その後、昨年も行った「千光寺公園」に移動し、坂道を下りながら「猫の細道」などでスナップ撮影を楽しむ。少し残念なのは、液晶モニターにチルト機能が備わっていない点と、タッチシャッター時のレスポンスがイマイチな点。この2点がクリアされたら、今回のようなスナップ撮影がもっと快適になるんだけどねー。

 とはいえ、80年以上のフィルム製造で培ったノウハウを生かした「フィルムシミュレーション」の絵作りは見事なので、撮影画像をその場で再生確認するのが楽しい(もちろん、自宅PCでの確認も同様)。画像クオリティに関しては、Xシリーズのフラッグシップモデル「X-T2」や「X-Pro2」と対等だからね。

FUJIFILM X-E3 作例(撮影:吉森信哉)
実写データ

西國寺から望む、尾道の家並と景色。遠方に「尾道大橋」が見える。富士フイルム X-E3 XF10-24mmF4 R OIS(16.6mmで撮影) 絞り優先オート F11 1/180秒 WB:オート ISO400 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

FUJIFILM X-E3 作例(撮影:吉森信哉)
実写データ

西國寺の境内にて。超広角の遠近感強調を生かして撮影してみた。富士フイルム X-E3 XF10-24mmF4 R OIS(11mmで撮影) 絞り優先オート F16 1/210秒 −0.3補正 WB:オート ISO400 4000×6000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

FUJIFILM X-E3 作例(撮影:吉森信哉)
実写データ

これも西國寺での撮影。金堂と三重塔を望む。好きだなぁ、超広角の空間描写…。富士フイルム X-E3 XF10-24mmF4 R OIS(10mmで撮影) 絞り優先オート F11 1/220秒 WB:オート ISO200 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

FUJIFILM X-E3 作例(撮影:吉森信哉)
実写データ

「猫の細道」を歩いていると、地面にも猫を発見! 液晶モニターのチルト機構が欲しくなった場面。富士フイルム X-E3 XF10-24mmF4 R OIS(11.5mmで撮影) 絞り優先オート F4 1/70秒 −0.3補正 WB:オート ISO200 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

FUJIFILM X-E3 作例(撮影:吉森信哉)
実写データ

タッチショット機能で、猫同士の関係をスナップ。「アイツ、どこに行くんだニャ〜?」みたいな。富士フイルム X-E3 XF35mmF2 R WR 絞り優先オート F5.6 1/250秒 −0.3補正 WB:オート ISO400 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

FUJIFILM X-E3 作例(撮影:吉森信哉)
実写データ

「千光寺公園の鼓岩」から、尾道水道の風景を望む。…あ、この構図、昨年とほとんど同じだわ!(笑)富士フイルム X-E3 XF10-24mmF4 R OIS(15.9mmで撮影) 絞り優先オート F11 1/140秒 WB:オート ISO400 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

FUJIFILM X-E3(撮影:吉森信哉)
X-E2から小型化やシンプル化は進んだが、センサー画素数や連写速度を含め、仕様や撮影機能は着実にアップしている「X-E3」。軽快に使いたいが、画質や動体撮影のパフォーマンスにはこだわりたい。…そんな人にオススメのモデルである。

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プロフィール

  • 吉森信哉
  • 吉森信哉 よしもりしんや
  • 撮影テクニック解説、カメラやレンズのインプレなどで活躍中の写真家。とにかくカメラが好きなことにかけては世界一!なレベルだと周囲は認めている(笑)。デジも銀塩も一眼もコンパクトもクラシックも、撮るのも触るのも見るのも夢見るのも買うのも、カメラだったらなんでも大大大好き! タイトルの言葉は広島出身の彼のリアルな心の叫びである。

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