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デジタルフォトコンテスト
2012年1月号入賞作品(評:吉森信哉)
金賞

「絆」 山本和世さん(千葉県浦安市)
- ニコン D700、ニッコール24〜70ミリF2.8
- 夕方の琥珀色の光は、風景やモノをとてもフォトジェニックに変えてくれます。その温かみのある色調や、光と影が作り出す光景は、私も大好きです。この湾岸で撮られた光景も雰囲気がいいですね。ですが、この作品の魅力はそれだけではありません。シルエットとして描写された釣りをする父と息子の姿が、とても味わい深いのです。2人を包む光の縁取りの温かさ、父の横顔の穏やかな表情……。そこには、確かな“親子の絆”が感じられます。【吉森】
薄っすらと糸の先に富士山も見え始めているいつもの“黄昏富士”狙いのスポットで、温かい父子のシルエットに目が釘付けになりました。吉森先生から素晴らしいコメントをいただけて、こんなに嬉しいことはありません。感謝で胸がいっぱいです。【作者】
コンパクトカメラ賞

「ふたつの視線」 福田眞一郎さん(埼玉県秩父郡)
- パナソニック ルミックスLX1
- 玄関脇にいたカマキリに対して、コンパクトデジカメによる“マクロの視線”で迫る福田さん。そして、カマキリの視線はカメラに、カマキリの背後には福田家の愛犬の視線も……。そう考えると、この状態は「3つの視線」かも(笑)。日常の何げない光景ですが、見る側と見られる側の関係性の面白さに感心しました。【吉森】
初めはカマキリだけを撮っていましたが、逆側にまわると愛犬ベルの姿も……。違う2つの視線を面白く表現できました。ただ、私のほうからも「見ている」ことには気づきませんでした。【作者】
佳作

「早く、行きなさーい!」 大久保武さん(京都府城陽市)
- ソニー α550、70〜300ミリ
- タイトルからもわかりますが、カルガモの親鳥が雛を逃がしている場面だそうです。大きく羽ばたく親鳥が見事にとらえられていますが、そんな技術的な面だけではなく、自然の中の“親子のドラマ”にも感銘を受けました。【吉森】
親鳥がヒナを逃がし、それを見届け、追うように飛んだときの写真です。1か月後に大きく成長したヒナたちに再会しましたが、いまだに親の後をついて泳いでいる姿を見て、親子の絆を感じました。ありがとうございます。【作者】

「違和感」 黒澤一章さん(群馬県高崎市)
- ソニー α55、DT18〜55ミリF3.5-5.6
- 古びた建物と色鮮やかな自動車。黒澤さんは、その関係性に“違和感”を感じたそうですが、私には“不思議な調和”に感じられました。また、加工で彩度を高めたことで、エスニック調(?)の艶めかしい雰囲気が生まれています。【吉森】
T字路での信号停止中、正面に見えた古い建物と、その前に停車中のピカピカで派手な車に、これはと思い、慌てて助手席にあったカメラを取り出してシャッターを切った1枚です。撮ったときは、すでに信号は青に変わっていました。【作者】

「姉妹」 奥村咲太郎さん(福岡県糟屋郡)
- ソニー NEX-5、16ミリF2.8
- 鼻をほじる姉と、その顔面に蹴りを入れる妹(おふざけ程度ですが)。いや〜、実にほほ笑ましい作品ですね。何でも、最近はケンカが絶えない姉妹らしいですが、この作品からは「ケンカをするほど仲がよい」ということが感じられます。【吉森】
鼻ほじりに困っていますが、こういう楽しい写真を撮らせてくれるので……。記念のいい思い出になると思います。【作者】

「山車」 松本ケンイチさん(岡山県岡山市)
- キヤノン EOS5DマークII、EF24〜105ミリF4
- 祭りで躍動する人をスローシャッターでぶらして動感を表現する、という表現はよく目にします。ですが、松本さんはその手法で、山車の車輪をダイナミックにぶらしています。着眼点が新鮮ですし、光線状態もいいですね。【吉森】
お祭りでスローシャッターの表現をよく使いますが、なかなか思うようなものにならず、ただのブレブレ写真を大量に作ることになってしまいます。でも今回は日差しも見方してくれて、まさに意図した写真に仕上げられました。【作者】

「夜空に浮かぶ青空」 北村 誠さん(東京都世田谷区)
- シグマ SD14、15ミリF2.8フィッシュアイ
- 同じ場所で撮影した昼のカットと夜のカットを合成して、とても不思議で幻想的な作品に仕上げています。金属製のオブジェと夜景のネオン、その両者の輝きもとても魅力的です。完成度の高い心象風景だと思います。【吉森】
抜けるようなきれいな青空と、光り輝く夜景の両方を、1枚の写真に収めたいと欲張った結果、このような作品が出来上がりました。評価していただけて、とても嬉しいです。【作者】

「力合わせて」 ムラカミイズミさん(広島県安芸郡)
- ペンタックス K20D、DA10〜17ミリF3.5-4.5フィッシュアイ
- 競技か演技かはわかりませんが、この後の健闘を誓い合う仲間のポーズが、とてもダイナミックに写されています。そう、まるで漫画の集中線みたい(笑)。ただし、肌色の不自然さと、画面のザラつきは残念な点です。【吉森】
熊野高校の文化祭でのスナップです。書道部の部員が大書を書く前に、力を合わせるために集まったところです。大書はすごくよかったです。【作者】

「陽だまり。」 永江佳恵さん(埼玉県さいたま市)
- ペンタックス K-7、DA18〜55ミリF3.5-5.6
- 色鮮やかな花の写真はよく目にしますが、この作品の色鮮やかさは格別です。またタイトルのように色彩だけではなく、光の魅力も大きいですよね。そして花はもちろん、背後に広がる青空の透明感にも引かれます。【吉森】
澄み切った秋の青空を見上げるコスモスたち。太陽の日差しがまぶしいくらいの休日でした。“気分爽快♪”を感じていただけたら嬉しいです。どうもありがとうございました。【作者】

「That others may live(他者を行かす為に)」
佐藤真弓さん(秋田県大仙市)
- キヤノン EOS Kiss X4、EF-S55〜250ミリ
- これからヘリコプター(?)に乗り込むパイロットの後ろ姿でしょうか。上半身側ではなく、手に持つヘルメットを中心に狙ったことで、この人物に対する関心よりも、現場の雰囲気やイメージのほうが強くなっています。【吉森】
空自救難隊のパラシュート降下訓練で、ヘリに乗り込もうとしている瞬間です。どんな方法でも、どんな所にでも降りるのは空自救難隊だけです。「最後の砦」と呼ばれています。初応募で入選し、たいへん嬉しいです。【作者】

「七色の栞」 白鳥 修さん(千葉県千葉市)
- ニコン D90、ニッコール18〜200ミリ
- 雨上がりの空に虹を見つけて「キレイだなぁ〜」と感心することがありますが、この滝にかかる虹は特にキレイですね。形や色がハッキリ見えるだけではなく、木漏れ日のような光線状態が、その存在感をより高めています。【吉森】
長野県小海町の八岳の滝です。早朝に虹が架かるので出掛けました。すでに2人撮影していましたが、なかなかよい虹が現れず、その2人が退散後にこの見事な虹が現れました。粘ってみるものですね。寸評に感激です。【作者】

「猫舌」 伊藤克朗さん(愛媛県新居浜市)
- ニコン D50、タムロン90ミリF2.8マクロ
- タイトルは少し即物的過ぎる気もしますが、あくび(?)をするネコの表情……ではなく、舌に狙いを絞った点が、とても斬新でした。また、シャッターチャンスも見事で、一瞬をとらえる“写真の醍醐味”も感じられます。【吉森】
正直に告白すると、この写真は正面からネコの顔を撮ろうとシャッターを押した瞬間、ネコがあくびをした結果、たまたま撮れた写真です。佳作に選ばれたことは、嬉しいような恥ずかしいような……複雑な気持ちです。【作者】

「波止場で一日」 下向拓生さん(大阪府堺市)
- ニコン D40X、ニッコール55〜200ミリF4-5.6
- まず、背後に広がる空や山並みの美しさに引かれました。まるで海のような爽やかな青色。また、女性のポーズや表情も自然でいい感じです。ただし、その女性が画面左端に寄り過ぎていて、少々窮屈に感じられるのが残念!【吉森】
選出&コメントありがとうございます。高校生のころにいただいた以来の公式的な評価なので、たいへん嬉しく思っています。このときはほかの観光客も多く、彼女1人だけをフレーミングするのに苦労しました。【作者】

「夕刻の連絡船」 久保恵祐さん(和歌山県岩出市)
- ニコン クールピクスP300
- 沈む直前の太陽が、海上の風景を赤っぽく染めています。その光の色や連絡船の波がドラマチックです。空の様子も興味深いのですが、海上のドラマをより印象づけるなら、空部分はもう少しカットしたほうがよかったですね。【吉森】
紀伊勝浦のホテル浦島からの風景。海に面したこのホテルは、波止場が玄関。対岸との行き来は連絡船。夕刻は連絡船もフル稼働する時間帯で、夕日をバックに撮った1枚です。【作者】

「玉入れ」 山崎敏光さん(三重県いなべ市)
- キヤノン EOS7D、EF70〜200ミリF2.8
- 緑っぽい背景に浮かび上がる、カゴと多くの赤色の玉が、とても鮮烈で目に焼き付きます。また、背後の山並みが、この土地の長閑(のどか)さを感じさせてくれます。人は写っていませんが、人里の温もりが感じられる作品です。【吉森】
佳作選出、ありがとうございました。毎年運動会のとき、何か1つテーマを決めて撮影しているのですが、気持ちが先生に伝わって嬉しく思います。本当にありがとうございました。【作者】

「なんだろ??」 吉住延也さん(大阪府大阪市)
- ニコン D7000、トキナー10〜17ミリF3.5-4.5フィッシュアイ
- 以前、魚眼レンズによる“鼻デカ犬”の写真が流行りました。まあ、面白さはありますが、不自然で飽きる描写ですよね。しかしこの作品では、魚眼効果によって身を乗り出すようなかわいらしいポーズに見えるのです。【吉森】
生まれて半年ごろの娘です。タッチすると音楽が流れるオモチャを前に、「なんだろ?」という感じで見つめていました。【作者】

「水玉のオブジェ」 斎藤一弥さん(群馬県藤岡市)
- キヤノン EOS7D、EF100ミリF2.8マクロ
- 真っ赤な花に降り注ぐ水しぶき……ではなく、実はこれ、クモの巣にかかった水滴だそうです。巣に対して真正面からではなく、横から狙ったことで、前後の水滴が適度にぼけています。それが“水滴の躍動感”につながっているのです。【吉森】
わが家のカルニアという花にたくさんのクモの巣を見つけ、雨が降ればこのような写真が撮れるのではないかと予想して雨を待ちました。雨が止んだ直後、クモの巣が目立たない露出と流れを意識して撮影しました。【作者】

「町角の景」 山森真司さん(愛知県一宮市)
- ニコン D90、ニッコール18〜200ミリF3.5-5.6
- 巨大な「白い招き猫」を見つめる2匹の白ネコ。……あ、この2匹も作り物ですか!? いや〜、だまされました(苦笑)。それにしても、実にユニークな被写体です。巨大な招き猫を一部分でカットしたことで、その巨大さが際立ちました。【吉森】
作品の場所は常滑市です。巨大招き猫と、とこなめ見守り猫「とこにゃん」を題材にしましたが、なかなか難しかったです。モノクロに変換、トリミング、赤外調にしてコントラストを上げる作業をしました。【作者】

「こっちこないかな」 朝田陽一郎さん(富山県富山市)
- キヤノン パワーショットG11
- 大勢の園児がゾウの様子を見守る、とてもほほ笑ましい光景です。しかし、画面全体がノイズで荒れています(極端な高感度撮影ですか?)。そんな描写が表現として生きるケースもありますが、この場面はそうではないでしょう……。【吉森】
吉森先生のご指摘、深く反省しています。この場面では急いでシャッターを切ることはなく、カメラの設定を確認するべきでした。露出オーバーでしたが、無理してプリントしてしまいました。撮ったときの気持ちを汲んでいただき、ありがとうございました。【作者】










