デジタルフォトコンテスト

月例デジタルフォトコンテスト入賞作品【2008年5月号】

評:吉森信哉

よしもり・しんや/1962年、広島県庄原市生まれ。1990年より、姉妹誌『CAPA』などで撮影や執筆活動を始める。ライフワークは「四季の花」や「日本全国の素朴な風景」など。作品づくりでは主に一眼レフを使用するが、コンパクトデジカメも必ず携行する。その軽快さを生かして“コンパクト機ならではの作品”づくりにも熱を入れている。
⇒ブログ「わしぁカメラが好きなんじゃ!!」


金賞・コンパクトカメラ

「覗き猫」 宇栄原 格さん(沖縄県中頭郡)
「覗き猫」宇栄原格さん 評:宇栄原家の愛ネコ「サスケ」くんが、カーテン越しに部屋の中を覗いています。その様子はまるで、人が覗いているかのようですね。ネコがカメラを見みつめるのは珍しくありませんが、そこに“カーテン越し”という要素が加わることで、不思議な味わいのスナップ(ポートレート?)になっています。作者のコメントには「かわいらしかった」とありますが、そういう思いと同時に「ネコって人に近い生き物なんだな」という思いも抱きました。
■サンヨー ザクティ5
作者:このカーテンの場所は、愛ネコ「サスケ」のお気に入りのところで、日当たりもよく、いつもそこで昼寝をしています。おやつの時間になると部屋の中が気になって、のぞいて様子をうかがいます。そろそろおやつの時間かな?

金賞・一眼レフカメラ

「湖上の少女」 山田克己さん(埼玉県熊谷市)
「湖上の少女」山田克己さん

■ニコン D80

評:山のシルエットの中の“水面のきらめき”が目を引きます。そして、きらめきの中にいる人物のシルエットが印象的です。一見すると、夜の月明かりのように見えますが、コメントによると「実際は昼間」だそうです。そう思わせる大胆な露出(アンダー設定)が功を奏しています。それにしても、この人物(女の子だそうです)はどういう状態? どう見ても、水面に立っているようにしか見えません。そんな不思議な描写も興味深いです。

作者:昨年の晩秋に、群馬県北部の丸沼に行ったときに撮影しました。背景の山が落葉後で見栄えが悪かったので、水面の反射に露出を合わせて全体を暗くしました。そしたら浅瀬の釣りの女の子がシルエットになり、幻想的な写真にすることができました。


佳作

「干草を食べるカバ」 新井英治さん(埼玉県北葛飾郡)
「夕刻」山崎雅広さん 評:太陽位置の関係で、表情の大部分が影になっています。人物写真なら「失敗」でしょうが、ここでは「成功」です。その影によって、カバの重厚さや肌の質感が表現されています。
■フジフイルム ファインピックスS5200
作者:この動物園のカバは、まるまると太っていて、とても迫力があります。アップで表現してみました。カバの皮膚の感じを出したくて、フィルム感度を下げ、露出をマイナスに補正しました。朝の太陽に感謝です。
「幼き日の思い出」 福澤 浩さん(長野県長野市)
「幼き日の思い出」福澤浩さん 評:湖畔の水際ぎりぎりの所まで行き、ちょこんと座る2歳の息子さん。いやぁ〜、理屈抜きでかわいらしいですね。富士山を見せたいと思ったのに、当人は湖の中に興味津津。そんな幼児の気ままな行動がほほ笑ましいです。
■キヤノン パワーショットG9
作者:湖の中の、何を見て、どう感じていたのか。言葉も満足に表現できない息子からは、当然聞くことはできませんでしたが、いつか思い出を語ってくれることでしょう。この度は、この写真を選んでいただき、本当にありがとうございました。
「幻想」 大西宏徳さん(愛知県稲沢市)
「幻想」大西宏徳さん 評:古めかしいガラス窓の前に吊り下げられた、たくさんの赤いひょうたん。ガラス窓には、同じような赤の紅葉の映り込み。その色の対比(調和?)が美しい。ほんのり紗のかかった描写も、何とも言えない味があります。
■パナソニック ルミックスFZ50
作者:選んでいただいた吉森先生に感謝いたします。次回も選んでいただけるよう、努力します。
「はい、ポーズ!」 渡辺和英さん(岡山県岡山市)
「はい、ポーズ!」渡辺和英さん 評:タンチョウヅルが、なぜこんな所に着地を!? この大胆でユニークなポーズは何のために!? そういった意外性が、この写真の魅力です。また、このシーンを見事に写し止めた、渡辺さんのテクニックにも感心しました。
■キヤノン EOS40D、EF100〜400ミリF4.5〜5.6L IS
作者:岡山後楽園では、タンチョウヅルを毎年正月に園内に放します。昨年の12月に予行演習があり、園内を飛行したツルが私の目の前に着地。おかげで羽をいっぱいに広げて、ポーズをとったような瞬間を撮ることができました。
「夕日と浮島」 伊藤克朗さん(愛媛県新居浜市)
「夕日と浮島」伊藤克朗さん 評:浮島現象や貨物船が見られる夕景と、シルエット状の灯台。レンズワークや画面構成など、とても完成度の高い作品。浮島や貨物船がドラマチックなので、それらと夕日を絡めた“灯台が入らない作品”も見たいところです。
■ニコン D50、70〜300ミリF4〜5.6G
作者:当日は、水平線付近の雲が心配でしたが、幸い日没直後に晴れ間が出現して撮影できました。凍えながらの撮影でしたので、入選の感激もひとしおです。また、写真撮影には忍耐が重要と再認識させられた1枚となりました。
「老舗の技」 川上和俊さん(兵庫県尼崎市)
「老舗の技」川上和俊さん 評:年季の入った両手から生み出される「老舗の技」を表現しています。あえて顔を入れない点や、セピア調のモノクロ加工も効果を上げています。残念なのは、肝心の両手の部分に、ガラスの仕切りが被ってしまった点です。
■キヤノン EOS20D
作者:手際よく素手で仕上げていく老舗の技に引かれて撮影しました。コメントがたいへん参考になりましたので、今後に生かしたく思います。
「視線」 松本研一さん(岡山県岡山市)
「視線」松本研一さん 評:流鏑馬の装束を纏った白馬を、植木の幹や葉の隙間から撮影しています。顔を部分的にとらえることで、目の表情が強まりました。周囲の緑や赤も効果的。ただし、ボケた胴体部分は、もう少しカットしたほうがよかったかも。
■キヤノン EOS5D、EF24〜105ミリF4L IS USM
作者:これから流鏑馬へと向かうための装束を身にまとい、木立の間からこちらを凝視していました。普段のやさしいイメージの馬の眼差しとは違って、戦いの場に出掛けて行く精悍さや決意のようなものを感じました。
「オオーッ!」 日高祐司さん(東京都世田谷区)
「オオーッ!」日高祐司さん 評:色眼鏡を覗きながら、何かを発見して思わず手を伸ばす……。そんな少年のたわいもない仕草が、とてもユニークでほほ笑ましく感じられます。タイトルも最高。本当に「オオーッ!」という声が聞こえてきそうです(笑)。
■キヤノン EOS20D、EF70〜200ミリF4L
作者:初めての入選、心よりうれしく思っています。子どもの自然な姿を撮るのがすきで、このときはカメラの手入れ中。シャッターチャンスと思い、撮影しました。息子の心中をタイトルにしたことで、先生からもお褒めのお言葉をいただけたのだと思います。
「愛(eye)イルミネーション」 兵藤敦郁さん(愛知県名古屋市)
「愛(eye)イルミネーション」兵藤敦郁さん 評:モデルの愛ちゃんのeye(瞳)。ま、そのギャグセンスはともかく(笑)、瞳の中に映るカラフルなイルミネーションに狙いをつけた点が斬新! 瞳の極端なアップはグロくなりがちですが、この作品はとても幻想的です。
■キヤノン EOS20D、EF35ミリF2
作者:瞳のきれいなモデルの愛加(まなか)さんを撮影中、その瞳に写ったイルミネーションを作品にしたくなりました。本当は「あいちゃん」ではありません。オヤジギャグを題名にしちゃいました(笑)。
「つぼみ」 松島靖浩さん(千葉県船橋市)
「つぼみ」松島靖浩さん 評:「セイロンベンケイ」という植物のつぼみだそうです。果実のようでもあり、紙風船のようでもあり……。そんなフォルムや柄やパステル調の色調が、とてもフォトジェニックです。マクロ撮影の面白さを再認識しました。
■ソニー α700、タムロン90ミリF2.8Diマクロ
作者:初めての入選で舞い上がっています。吉森先生のコメントのとおり、淡い色合いと、風船のような形を生かして撮ることができ、お気に入りの1枚です。これからも、写真でしか見られないような光景を撮っていきたいと思います。
「反省会」 永廣大勝さん(熊本県熊本市)
「反省会」永廣大勝さん 評:クマと飼育員との、ほのぼのとしたツーショット。そして、タイトルは「反省会」。思わず笑ってしまいました。「ゴメン、今日の芸はイマイチだったよ」「大丈夫、次に頑張れば」。そんな会話が聞こえてきそうです。
■ニコン D200、55〜200ミリF4〜5.6
作者:クマと飼育員の方の間にはもちろん会話はなかったのですが、気持ちがわかり合える「何か」がそこにはありました。その「何か」を写真で表現することができてよかったです。
「富士炎上」 内田悦朗さん(静岡県富士市)
「富士炎上」内田悦朗さん 評:富士の頂から湧き上がる雲が、朝日を浴びて赤く染まっています。その様子は、たしかに「炎上」という雰囲気ですね。もう少し雲の周囲をカットすれば、より迫力が増して、さらにタイトル通りの作品になるでしょう。
■ニコン D300
作者:焦点距離150ミリでの撮影です。次にチャンスがあれば、ズーム域を変えて、何カットか撮影してみたいと思います。
「現代の若者」 時津伸一さん(愛知県知多郡)
「現代の若者」時津伸一さん 評:コメントには「現代における若者の人間関係を表現」とあります。全体的に青くて薄暗いこの場面からは、たしかに“若者のクールさや孤独さ”のようなモノが感じられます。イメージを昇華させるテクニックが見事です。
■ニコン D70
作者:今回は、私の作品を選んでいただき、ありがとうございました。この作
品では、現代の都市風景のひとつとして、若者の人間関係について表現してみまし
た。
「回廊燃ゆ」 武藤達郎さん(千葉県市川市)
「回廊燃ゆ」武藤達郎さん 評:逆光でシルエットになった(わずかに階調は残るが)回廊と太い幹。そして、そのほかの空間を埋める赤や黄の鮮やかな紅葉。明暗と色の対比が見事で、見応えのある作品に仕上がっています。あぁ、この回廊を歩きたい……。
■ニコン D200、17〜55ミリF2.8G
作者:この度は、佳作に選んでいただき、ありがとうございました。この写真は、千葉県松戸市にある本土寺というお寺で撮影しました。ここの紅葉は、本当に見事なんですよ。逆光気味だったので、現像時の補正に苦心しました。
「タイムトンネル」 中川敦夫さん(京都府京都市)
「タイムトンネル」中川敦夫さん 評:映り込みを利用したのでしょうか? それとも、画像加工でしょうか? トンネル内を歩く母子の姿が、不思議な描写で表現されています。白昼夢のようなその光景は、懐かしくもあり、少しミステリアスでもありますね。
■パナソニック ルミックスFZ18
作者:現在80歳で、カメラ歴50年。今も作画創作できるのは、軽くて優れたデジカメのおかげ。とにかく、ユニークな作品づくりに熱中。この作品も老脳を絞って、幼きころのメモリーをファンタジックにと表現してみましたが……。
「輝く朝」 吉田皓一さん(埼玉県飯能市)
「輝く朝」吉田皓一さん 評:朝日を浴びる庭の草花が、ジョウロの水も浴びています。背後の日陰に水しぶきが映えますね。普段よく目にする光景ですが、写真で見る機会はあまりないかもしれません。少なくとも、ワタシの目には新鮮に映りました。
■ソニー サイバーショットT9
作者:作者/私は体調の関係で、このところ数年は撮影旅行など一切いけず、身近な我が街を撮影して楽しんでいます。この作品は、我が家の裏庭で妻が水まきをしていたときのものです。朝の光に、水も花も輝いていました。
「恋紅」 中川利惠子さん(奈良県橿原市)
「恋紅」中川利惠子さん 評:シャーベット状の雪面に、かわいらしいハート型の花弁がポツン。サザンカの花弁だそうです。形や色がかわいらしいだけでなく、表面の水滴の瑞々しさや、雪の隙間から見える別の花弁や葉も美しい。タイトルもステキです。
■パナソニック ルミックスTZ3
作者:「命短し恋せよ乙女」という歌詞があります。乙女からすでに半世紀もの年月が経ちましたが、心は常に乙女でいたい、やさしさだけは失いたくない。雪の中で発見した、私の心です。吉森先生のコメントに笑みがこぼれます。
「少年」 求磨川貞喜さん(岡山県岡山市)
「少年」求磨川貞喜さん 評:ドラマやコマーシャルのワンシーンのような作品です。望遠レンズのボケ効果や圧縮効果などが、この雰囲気を生み出している一因でしょう。そして「サイドからの夕日」というライティングで、さらにドラマチックに!
■ニコン D40、55〜200ミリF4〜5.6G
作者:ある日の夕方、外で遊ぶ孫たちの声。私はカメラを持って外に出た。夕日を浴びて走り回っている孫を撮っていたら、凛々しい少年の顔がファインダーに飛び込んできた。私は思わずシャッターを切った。
「うたた寝」 増田晋一さん(東京都八王子市)
「うたた寝」増田晋一さん 評:少しうな垂れた格好で、頭には大量の雪が降り積もっていて……。この日の寒さが、よく伝わってきます。でも、その表情はとても穏やか。この最高の表情から、露天風呂の気持ちよさが、よ〜く伝わってきます。
■キヤノン EOS20D、EF70〜200ミリF2.8IS
作者:雪が深々と降る日。温泉に浸かる地獄谷温泉のサルたちです。あまりに長い時間、うとうとしていたため、頭にはビッシリ雪が積もっていました。午後には吹雪になり、カメラはシャッターボタン以外、凍りついてしまいました。
「春だぁ」 加藤謹一さん(愛知県春日井市)
「春だぁ」加藤謹一さん 評:ここの桜は満開という感じではありませんが、少し赤味を帯びた太陽光の影響もあり、のどかでイイ雰囲気ですね。まあ、この写真の主役は「桜」ではなく「散歩中のワンちゃん」でしょうけど。あくびする表情が最高!
■フジフイルム ファインピックスS3Prp
作者:家の近くの公園へ散歩に行ったときに撮影しました。モデルは愛犬と家内です。午後の赤みを帯びた日差しを配慮して撮ったのですが、その部分が評価されてうれしかったです。

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