デジタルフォトコンテスト

月例デジタルフォトコンテスト入賞作品【2008年7月号】

吉森信哉先生 評:吉森信哉

よしもり・しんや/1962年、広島県庄原市生まれ。1990年より、姉妹誌『CAPA』などで撮影や執筆活動を始める。ライフワークは「四季の花」や「日本全国の素朴な風景」など。作品づくりでは主に一眼レフを使用するが、コンパクトデジカメも必ず携行する。その軽快さを生かして“コンパクト機ならではの作品”づくりにも熱を入れている。
⇒ブログ「わしぁカメラが好きなんじゃ!!」


金賞・一眼レフカメラ

「桜の下で」 小泉訓宏さん(千葉県印旛郡)
「桜の下で」小泉訓宏さん 評:頭上の枝には、咲き始めた桜の花がちらほら。そして、二人(コメントから察するに、小泉さんの奥さんと娘さんでしょうか?)の表情や周囲の景色は、やわらかい夕方の光に包まれています。そう、この作品からは“春の夕方の雰囲気”が、よ〜く伝わってくるんですよね。その優しい空気感が、二人の表情をより魅力的に見せてくれます。昼間の時間帯だと、ここまでイイ雰囲気にならなかったでしょう。もちろん、表情そのものも最高に素敵ですよ。
■ペンタックス *istDS、smc55ミリF1.8
作者:娘の入学式までに桜が残っているのか心配だったためと、写欲にそそられ撮ったものです。ピカピカのランドセルで、ピカピカの笑顔をくれました。初投稿だったので、信じられなかったです。娘と妻と、素敵な光に感謝しています。

金賞・コンパクトカメラ

「光彩」 大西宏徳さん(愛知県稲沢市)

「光彩」大西宏徳さん
■パナソニック ルミックスFZ50

評:明かりが灯る夜の桜を、フィルター効果によって、幻想的な光景に仕上げています。そう、この作品では、桜よりも明かりの印象のほうが強いのです。そのあたりに、一般的な夜桜風景とは違う独創性を感じます。また、画面下に写し込まれた緑色の橋が、画面のよいメリハリになっています。花見で酔っ払って見上げると、こんな風に見えるのかもしれませんね(笑)。この作品を見て、ワタシの脳裏に「春の夜の夢」という言葉が浮かびました。

作者:金賞に選んでいただき、ありがとうございました。全国誌のため、感動は最高です。今後、この受賞を励みに、ますます腕を磨きたいと思います。


佳作

「働くおじさん」 小関義徳さん(千葉県市原市)
「働くおじさん」小関義徳さん 評:鮮烈な色のトラクターなのに、不思議とクドさは感じません。“夕方の春霞”の中だからでしょうか? 後ろのローカル線を狙っていて「思わずシャッターを切った」そうですが、味のある“春のスナップ”に仕上がっています。
■キヤノン EOS40D、EF-S10〜22ミリF3.5〜4.5USM
作者:ローカル線を撮ろうとカメラを構え、電車が来るのを待っていたら、突然トラクターが出現。思わずシャッターを切った1枚です。
「交差点」 香川慎吾さん(香川県観音寺市)
「交差点」香川慎吾さん 評:郊外にある大きな交差点。さほど珍しい場所ではありませんが、何だか不思議な雰囲気……。そう、目の前を横切る車が、夜景撮影のときのように大きくブレているのです。この普段とは違う描写が、新鮮に感じられました。
■ニコン D40、18〜55ミリ
 
「近くでココちゃん」 村田啓之さん(北海道札幌市)
「近くでココちゃん」村田啓之さん 評:札幌の動物園にいるレッサーパンダの「ココちゃん」。口元が切れるくらいのアップですが、口元を入れないことで目の印象が高まっています。その表情は、まるで考え事をする人間のよう。印象に残る表情ですね。
■キヤノン EOS KissデジタルX、タムロン28〜300ミリF3.5〜6.3
作者:ココちゃんが立ち止まって、考え事をしているような顔をしていたところを写しました。顔だけに外の光が当たり、普段と違う雰囲気に写りましたので、その中から顔のアップのものを選びました。
「青春のシルエット」 菊田秀人さん(香川県三豊市)
「青春のシルエット」菊田秀人さん 評:輝く海を背景にして、浜辺で若者たちが勢いよくジャンプ! その“青春の群像”風景は、まるで幅跳びの分解写真のようにも見えます。被写体や状況のユニークさ、シャッターチャンスの確かさが光る作品です。
■ソニー α100
作者:夕方、通りがかった砂浜で、部活でしょうか? 若い人がトレーニングをしていました。夕日をバックに、シルエットに見えて面白く感じたので、思わずシャッターを切りました。
「赤い電球」 玉ケンさん(神奈川県川崎市)
「赤い電球」玉ケンさん 評:夕焼け空に浮かぶヨットや漁船のシルエットは、恰好の題材(被写体)ですよね。ここでは、漁船の一部分と夕陽を望遠ズームで切り取っています。その大胆なアプローチが見事ですね。赤いランプの存在感も光ります。
■キヤノン EOS30D、EF70〜200ミリF4IS
作者:「キレイな夕焼けが見たい」と急に思い立ち、午後出発で約3時間かけて出掛けた際の1枚です。普通に撮影するだけでは面白みが足りないと思い、思い切りアップにしたら、よい感じになりました。
「バラの芽」 吉村基市さん(福岡県前原市)
「バラの芽」吉村基市さん 評:バラのつぼみに雨水がたまっている様子を、望遠マクロでクローズアップ。かなり小さなつぼみでしょうが、見応えのある作品に仕上げています。見た瞬間「これは何?」と思わせる、視点のユニークさに感心しました。
■ニコン D40、タムロン90ミリマクロ
作者:バラのつぼみに雨水がたまり、いつもと違う風に見えました。それに心引かれて撮影しました。皆様方の素晴らしい写真と一緒に選んでいただいたことを、光栄に思います。
「パステルカラー」 内田悦朗さん(静岡県富士市)
「パステルカラー」内田悦朗さん 評:3色のハナモモが、抜けるような青空に映えています。縦画面を選んだことで、背後の富士山も自然に写し込まれています。誌面ではわからないでしょうが、画像加工の影響で青空部分がザラついているのが少し残念です。
■ニコン D300
作者:気になる被写体に出会うと、縦と横、両方を撮り比べるように心掛けています。吉森先生ごご指摘のザラツキは、画像を拡大して気が付きました。今後はノイズ除去等のツールも使い、画像加工の精度を高めたいと思います。
「艶花」 横前隆浩さん(長野県飯田市)
「艶花」横前隆浩さん 評:桜の花を逆光で撮ると見栄えがよくなりますが、この作品は光が当たらない部分も素晴らしい。青みがかった日陰の中にも、濃密な桜の風景が写っているのです。日向部分と日陰部分、双方の光と色のメリハリが見事です。
■キヤノン EOS40D、EF100〜400ミリ
作者:佳作に選んでいただき、ありがとうございます。西日に映える枝垂桜ですが、撮影時には日の当たる花にばかり目がいき、モニターで見てはじめて、背景もいい感じに写っていることに気付いた、というのが正直なところです。
「無念無想」 若園 建さん(千葉県松戸市)
「無念無想」若園 建さん 評:お経を唱える僧侶は都会の雑踏でも見られますが、春の花が咲き誇る中の僧侶の姿は、よりドラマチックに感じられます。特に興味深いのは、僧侶と花見客との対比です。どこか“人生の無常観”が感じられるのです。
■ソニー サイバーショットR1
作者:早咲きで知られる川津桜を見ようと、たくさんの観光客がせわしなく行き交っていました。その桜並木で、一人じっとお経を唱える僧侶。「静」と「動」の対比が印象的でした。まさに吉森先生の講評にあった、人生の無常観を感じさせる光景でした。
「どうしたの?」 岩木三次郎さん(宮城県仙台市)
「どうしたの?」岩木三次郎さん 評:やって来た親戚の赤ちゃんを、この家で飼われている犬の「舞ちゃん」が、優しく見守っています。泣いている赤ちゃんに近づいて、まさに「どうしたの?」という表情で見つめています。とてもほほ笑ましいシーンです。
■フジフイルム ファインピックスA500
作者:飼い犬の「舞」は、子犬の時代から室内で育ったので、自分は人間だと思っているふしがあります。そのためか、喜怒哀楽が人間並みに顔に出るのですが、それが審査員のお目に止まったようで感激です。
「蜜を求めて」 松本研一さん(岡山県岡山市)
「蜜を求めて」松本研一さん 評:土手に咲くオオキンケイギクの花を、マクロモードで大胆に接写! そして、飛び交うミツバチがベストのタイミングで写されています。コンパクトデジカメ特有のボケの少なさにより、背後の群生や風景もよくわかります。
■リコー キャプリオR4
作者:初夏の暑い日差しの中、汗びっしょりになりながら、花に集まるミツバチを追い掛け回す姿は、はたから見ると変なオジサンに見えたことでしょう。でもその甲斐あって、賞をいただくことができて、とても嬉しく思っています。
「月夜の枯木」 久保瑞代さん(和歌山県岩出市)
「月夜の枯木」久保瑞代さん 評:風景や被写体は、特に珍しいモノではありません(手持ち撮影が難しい状況ですけど)。しかし、ざらつき感と紫っぽい色調によって、不思議な世界になっています。どこか絵画のような雰囲気に、しばし見入ってしまいました。
■フジフイルム ファインピックスF30
作者:手持ち撮影ではぶれてしまうので、めいっぱい高感度にして、めいっぱいマイナス補正をかけて撮影しました。コンパクトデジカメでも、こんな写真が撮れるものだと感心しました。
「荒っぽいマッサージ」 宇栄原 格さん(沖縄県中頭郡)
「荒っぽいマッサージ」宇栄原 格さん 評:5月号で金賞のモデル「サスケくん」が、同居する「ラッキーくん」に、頭をパクッとくわえられています。たしかに荒っぽい。サスケくんの活躍に嫉妬したのでしょうか(笑)。ユニークな瞬間がキャッチできましたね。
■サンヨー ザクティC5
 
「絆」 鍋島正明さん(大阪府大阪市)
「絆」鍋島正明さん 評:97歳のおばあちゃんに抱かれるワンちゃん。安堵の表情から、両者の絆が感じられます。光線状態や落ち着いた色調も魅力的。もう少し画面を絞り込めば(ワンちゃんと手の部分に)、より強い作品になったでしょう。
■パナソニック ルミックスFZ50
作者:選考いただき、ありがとうございます。まだ3月末日の寒い日でしたが、作品に暖かさが伝わるようにと、ワンちゃんの表情、しぐさなどに気を使いました。
「桜日和」 加藤秀雄さん(福島県福島市)
「桜日和」加藤秀雄さん 評:映画のワンシーンのような見事な“桜のある風景”ですね(調べてみたら、本当に映画に登場した桜らしいです)。抜けるようなクリアな青空が、桜と祠の存在感を高めています。訪れた人の姿も、いいアクセントになっています。
■ニコン D70、18〜200ミリ
作者:吉森先生、ありがとうございました。見ていただき、ポイントをコメントされ、たいへん嬉しかったです。今回2回目の入選を果たし、喜びと感激で胸がいっぱいです。さらに腕を磨いて、極めた作品作りに励んで参ります。只今、青春なり!
「無題」 中川敦夫さん(京都府京都市)
「無題」中川敦夫さん 評:コメントには「夕陽の道をイメージして加工」とありますが、その描写は明らかに非日常的なもの。赤い路面や、青や黒のシルエット。このサーモグラフィで撮影したような描写が、独自の世界を生み出しています。
■パナソニック ルミックスFZ18
作者:題名は、「夕日の道」と決めていたのに、記入を忘却。申し訳ありません。80歳の老脳ながら少しでもユニークな作品をと、逆光の光る坂道で、登場人物をシルエット化。超望遠レンズの圧縮効果を生かそうと試みました。
「急ぎ足」 山森真司さん(愛知県一宮市)
「急ぎ足」山森真司さん 評:お祭りでのワンシーンでしょうか? 白い布を被った3人(?)の人が、足早に移動しています。白い布と朱色の着衣の“色の対比”が印象的。周囲の風景が平凡なのが残念ですが、ユニークなスナップショットです。
■ニコン D80
作者:この「急ぎ足」は、これから祭りに参加される方々を、あえて後ろから撮って応募したものです。地形的に風の強い所で、形の面白さを狙いましたが、先生が言われましたように、周囲の風景が平凡で窮屈になりました。
「バケツ猿」 増田晋一さん(東京都八王子市)
「バケツ猿」増田晋一さん 評:地獄谷温泉のサルは、温泉に入ることで有名ですが、まさかエサを運ぶバケツの中にも入るとは(笑)。落ち着き払った表情やポーズが、余計に可笑しく感じられます。もっと周囲を広く入れて撮っても面白いでしょうね。
■キヤノン EOS20D、EF17〜40ミリF4
作者:地獄谷温泉のサルたちは、なかなかの遊び好きです。川向こうにエサを運ぶバケツに入り、揺らしてブランコ遊びをしたり、川に渡したロープで綱渡りをしながら5、6匹で追いかけっこをして楽しんでいました。
「跳ね飛び」 後藤文夫さん(大阪府守口市)
「跳ね飛び」後藤文夫さん 評:大きく上下動を繰り返す遊具のスナップ撮影。その上下動に合わせて背景が流れており、これがダイナミックな動感につながっています。画面に対して人物が小さめですが、それによって、この場所の臨場感が伝わってきます。
■キヤノン EOS20D、シグマ28〜300ミリF3.5〜6.3マクロ
作者:今年度、初の入選なので、たいへん嬉しく思います。人物を大きく写し迫力を出すか、今回の写真のように、小さく撮影して動感を表現すべきか悩みました。それを評価していただき感謝しています。

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