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機材レポート

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19世紀の名レンズ「ペッツバール」を復刻!
ロモグラフィー×ゼニット New Petzval Art Lens

174年前の歴史的なポートレートレンズが、クラウドファンディングによる支援のもと、現代に蘇った。ロモグラフィー公式オンラインショップで先行予約受付中の「New Petzval Art Lens」を、増田賢一さんが実写レビュー。

[解説]増田賢一 [モデル]中西加奈(クラージュ)

ダゲレオタイプ時代のレンズが今ここに蘇る!

New Petzval Art Lens
カラーはゴールドとブラック
New Petzval Art Lens
ニコン D800 装着時

黄金に輝く鏡胴は博物館にある木製暗箱に付いていたレンズそのものの印象。オーストリアで1840年(ハプスブルク帝国の時代)にジョセフ・ペッツバール(*)が設計した3群4枚のレンズを、ロシアのゼニット社が現代のアレンジで復刻したものだ。

焦点距離はポートレートにぴったりの85ミリで、開放絞りはF2.2。実際に手に取るとずっしり重く、すごい物を復刻したなと感慨深い。機構も当時のものをアレンジし、ピントはラック・アンド・ピニオン、絞りは専用プレートを差し込む方式による。

特徴的なのはその描写。絞り開放付近では大きな口径食とボケのエッジ(特に内側)が強烈に立つことで渦を巻くような描写になる。この効果は絞ると消えてしまい、意外なほど解像感は高く、クッキリとした描写になる。

画質は、現代的な尺度では決して良いものではないが「面白い」もの。欠点を利点として楽しめる製品だ。レンズ外観の妙な高級感もひょうげた存在感を醸し出している。

* 像面湾曲を平面にする条件などを研究したハンガリー出身の数学者。

New Petzval Art Lens
フォーカスノブでピント合わせ
ピントはヘリコイドではなくラック・アンド・ピニオン方式。ノブを回すとピント位置が変化する。上部にはピント指標も付いた凝った作りだ。最短撮影距離は1m弱。
New Petzval Art Lens
ウォーターハウス絞りを採用
絞り調節は、これまた古典的なウォーターハウス絞り方式。
New Petzval Art Lens
専用の鉄製プレートが付属
鉄製の絞りプレートは1段刻みでF16まで用意されている。一番大きい穴がF2.2。すべて完璧な円形絞りとなる。

渦を巻くような独特の描写が楽しい

撮るなら絞り開放。レモン型のボケの内側が際立ち、外を向いた三日月が張り付いたような独特なボケが表れる。周辺光量低下と相まって渦を巻くような描写が形成される。

(C)増田賢一

ニコン D800 ペッツバールレンズ 絞りF 2.2 1/125秒 ISO800 WB:オート

絞りの設定で描写の味が劇的に変わる

撮影は手持ちでも可能だが、絞り開放付近では三脚&ライブビュー&拡大ピント合わせがオススメ。絞るとかなりシャープな描写に変貌する。ただし、面白さは失せてしまう。

作例2(C)増田賢一
F2.2
作例3(C)増田賢一
F4
作例4(C)増田賢一
F11

プレオーダーパッケージにはスペシャル特典が満載!

現在、ロモグラフィー公式オンラインショップにて先行予約受付中。プレオーダーパッケージには、特典としてスペシャルパッケージ用の絞りプレート4枚、写真集、特製クリーニングクロス&レザーポーチ、真鍮製レンズキャップが付属する。

New Petzval Art Lens
プレオーダーパッケージ
New Petzval Art Lens
プレオーダーパッケージには通常版の絞りプレート7枚に加え、スペシャルパッケージ用絞りプレート4枚が付属する。

2014年6月発送予定
66,651円(ゴールド)、77,966円(ブラック)

■主な仕様
カラー:ゴールド、ブラック
マウント:キヤノンEFまたはニコンF
焦点距離:85mm
画角:30°
最大絞り:F2.2
絞り:ウォーターハウス式(F16までの6段階)
イメージサークル:44mm
最短撮影距離:1m
フォーカス:ギア式マニュアルフォーカス
フィルター径:φ58mm

■ロモグラフィー公式オンラインショップ
http://shop.lomography.com/jp/lenses

■問い合わせ ロモグラフィー
http://microsites.lomography.jp/petzval-lens/jp/

プロフィール

増田賢一さん 増田賢一(Masuda Ken'ichi)
1964年、東京生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒。大学在学中から写真家のアシスタントや雑誌編集などを経験し、卒業後フリーカメラマンとして独立。女性ポートレートを中心に写真集やグラビア、DVDジャケットなどを多く手がけ、写真展も定期的に開催している。『CAPA』のフォトコンテスト「ポートレートセッション」審査員。