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機材レポート

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軽量化&描写力向上が図られた新600ミリ。テレコンとの相性も抜群だ!

ニコンから発売された新型の超望遠レンズ「AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR」。
発売日に購入し、早速ブルーインパルスなど航空機を中心に撮影を行なってみました。

[写真・解説]KEN五島

約3.8kgの軽量設計。重心が手前なのでホールド感も良好

AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR

前モデルから約1250g減の約3810g。同クラス世界最軽量とのことです。普段使用している「AI Nikkor ED 800mm F5.6S(IF)」は5450g、この重さに慣れているとこの新型600mmはとても軽く感じました。また物理的な重さだけでなく、重心が手前にあることでホールドしやすいことも嬉しい特徴です。コンパクトに構えられるので、重さによる負担を感じることなく上空の航空機を撮影することができました。

「AF-Sテレコンバーター TC-14E III」を装着すると、840mmF5.6相当のレンズとして使用することができます。明るいF値を必要とするとき、大きな機体の旅客機などを撮影するときなどはノーマルの600mm、小さな機体の戦闘機を撮るときなどはテレコン使用840mm相当と、二通りの使い分が可能です。

発売されてすぐ、千歳基地航空祭の開催日でした。残念ながら開催当日は曇りで航空機の飛行はほぼなかったのですが、開催に備えた予行飛行を快晴の中撮影することができました。

※作例をクリックすると、オリジナルサイズ(4928×3280ピクセル)の画像が別ウィンドウで開きます。

AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR作例(撮影:KEN五島)
旅客機の撮影もいろいろなパターンで行なってみました。全日空のボンバルディアDHC8、プロペラの動感を出すためにシャッター速度を遅めに設定しています。こちらも空の色乗りが素晴らしく、現代の最新レンズらしいコントラストの描写となっています。
ニコン D4S AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR F16 1/400秒 −2/3補正 ISO100(新千歳空港)
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR作例(撮影:KEN五島)
ジェイ・エア ボンバルディアCRJ-200が着陸し、夕景の中タキシーウェイを進む情景を絞り開放で撮影しました。手前のボケは素直な描写で美しく、夕景の黄色が美しく描き出されました。機体の反射は急な白飛びをすることなく、自然な輝きを放っています。
ニコン D4S AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR F4.0 1/2500秒 −1/3補正 ISO400(新千歳空港)
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR作例(撮影:KEN五島)
2倍のテレコンも試してみました。約1200ミリ相当で、夕刻に離陸した日本航空ボーイング777-200の姿を捉えました。画質劣化が大きくなりがちな2倍テレコンですが、良い意味で期待を裏切り、とても解像感ある画像となっています。1.4倍だけでなく、2倍テレコンを使用し1200ミリF8相当のレンズとしても活用できそうです。
ニコン D4S AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR AF-S TELECONVERTER TC-20E III F8.0 1/1600秒 ISO500(新千歳空港)
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR作例(撮影:KEN五島)
夜間の撮影も行なってみました。エア・ドゥボーイング737-500が離陸していくシーンを1/40~1/20秒ほどの低速シャッターで流し撮りをしています。手ブレ補正はスポーツモード。ノーマルモードよりも手ブレ補正効果は落ちますが、構図の揺れがない自然な状態でフレーミングできるモードです。このスポーツモードに助けられ、低速での流し撮りでも機体はしっかりと写し取ることができました。
ニコン D4S AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR F4.0 1/20秒 +2 1/3補正 ISO12800(新千歳空港)
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR作例(撮影:KEN五島)
退役から約30年以上経過したF-104の背景に、現役引退間近の政府専用機が進んで来たタイミングを狙って絞り開放で撮影しました。超望遠ならではの立体感ある描写と美しいボケを見ることができます。
ニコン D4S AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR F5.6 1/1000秒 ISO250(千歳基地航空祭当日)
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR作例(撮影:KEN五島)
千歳基地航空祭にあわせて、特別塗装機がお目見え。残念ながら悪天候で飛行はキャンセル、シュミレーション・テイクオフのみとなりました。地上展示されている様子を至近から撮影し、マッシブなボディの立体感描写を狙いました。
ニコン D4S AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR F4.0 1/640秒 +1/3補正 ISO160(千歳基地航空祭当日)
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR作例(撮影:KEN五島)
北海道を代表する花の一つ、ラベンダーを絞り開放で撮ってみました。とても浅いピントで前後のボケは非常に美しいです。立体感あふれる描写はファインダーをのぞいてすぐに確認でき、ほかにはない美しい描写に感動しながらの撮影でした。
ニコン D4S AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR F4.0 1/160秒 ISO100(札幌市内)
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR作例(撮影:KEN五島)
羽田空港A滑走路を離陸していく全日空ボーイング787。ボディがぎゅっと圧縮され、迫力ある機体形状の表現となりました。絞り開放で、背景のボケも美しく表現されています。
ニコン Df AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR F4.0 1/1600秒 +1/3補正 ISO500(羽田空港)
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR作例(撮影:KEN五島)
羽田空港A滑走路を離陸していく全日空のポケモンジェット。多彩な色が塗装されていますが、いずれも美しい色彩で表現されました。ボディは望遠効果で圧縮され、迫力のある機体形状の表現になっています
ニコン Df AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR F4.0 1/1000秒 +2/3補正 ISO400(羽田空港)
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR作例(撮影:KEN五島)
日本航空ボーイング767が誘導路で方向転換を行った際、ほんの一瞬の夕陽の光が機体側面を美しく染め上げました。金属光沢が美しく浮かび上がり、印象的な瞬間でした。
ニコン Df AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR F4.0 1/1000秒 −1/3補正 ISO640(羽田空港)
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR作例(撮影:KEN五島)
離陸するジェイ・エアのエンブラエルERJ-170を1/80で撮影。手振れ補正は新搭載の「スポーツモード」を使用しました。画面が揺れること無くフレーミングに集中できるこのスポーツモードの効果により、流し撮りによる撮影でも機体の描写が高精細なものとなりました。
ニコン D4S AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR F5.0 1/80秒 −1/3補正 ISO400(千歳空港)
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR作例(撮影:KEN五島)
着陸し速度を落としていくエアドゥ ボーイング737。窓のひとつひとつがはっきりと写し出され、背景の素直なボケにより豊かな立体感のある描写となっています。
ニコン D4S AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR F4.5 1/125秒 ISO6400(千歳空港)

優秀なAF追従性能。航空機撮影には欠かせない1本になりそう

発売から約10日間、航空機を中心にテレコン有り無しなどいろいろな撮影をしてみました。大幅な軽量化はもちろんですが、重量バランスが大変良いので、一日中手持ち撮影していても疲れを感じないのがまず特筆すべき点でした。また絞り開放から画面すみずみまで素晴らしい均質な解像感を発揮しており、これはテレコン使用時にも強く感じた美点です。

実は購入して最初はピントの中抜けが多発したのですが、D4Sボディをニコンサービスセンターでチェックしてもらったところ、オートフォーカスモジュールにゴミが付着しており、本来の性能を発揮できない状態になっていました。これを除去してもらってからはピントの中抜けや迷いはほぼなくなり、その追従性能には万全の信頼を置いています。

レンズ前面にはフッ素コートが施されており、ゴミや汚れが付着しにくいようになっているのが感じられました。フードは深い一体型になっており、通常の使用で汚れや濡れに困ることはあまりなさそうですが、すぐに汚れを除去できるのは大きな安心に繋がると思います。

コンパクトなボディに大幅な軽量化が施され、重心位置も適切に設計された「AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR」。航空機を中心に、さまざまな情景を的確に捉えてくれる高い性能を感じました。

プロフィール

KEN五島さん KEN五島(Ken Goshima)
1974年、愛知県名古屋市生まれ。4歳から27歳まで東京で暮らす。1999年、北海道炭鉱遺産の撮影を開始。2001年、東京から札幌へ拠点を移す。2004年以降、各地で炭鉱遺産の写真展を開催し、それらの集大成として2010年に『北海道炭鉱遺産』(アスペクト)を出版。現在は建築写真のほか、夜景空撮や航空機の撮影に取り組んでいる。公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。